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水泳用語・知識

【ついに論破!】「前いって」その発言しているうちは速くなれない根拠を解説【水泳あるある】

コーチ業をしているとよく目にする光景が

「誰が先頭行くか問題」

これは小学生だけかなと思いきや、

マスターズ(おじいちゃんおばあちゃん)の練習でも頻繁に見られます。

行きたくない理由はいろいろあると思いますが

  • 本数が数えられない
  • 距離が数えられない
  • サイクルが計算できない
  • 後ろから煽られたくない
  • メニューがよく分からない

などなど

どれもハッキリ言ってクソみたいな理由ばかりです。

正直その光景はここだけの話、見ててイライラするものですが、

わたくしがイライラする理由は

「はよ行かんかい」という気持ち以外に、

その発言をすることが非常にもったいないと感じるからです。

なので今回は【水泳あるある】の

「お前、前いって」

がなぜダメなのか

【コーチ目線での愚痴】と【科学的根拠】

のダブルパンチで解説していきたいと思います。

根拠はないよ!【メンタル編】

この章は

「あるある」「わかるわかる」
[コーチはそのとき何を考えているのか]

と共感してもらうためのものなので、エンタメ感覚で読んでもらえれば大丈夫です。

コーチの機嫌が悪くなる

「お前、前いって」

という発言が聞こえてきた時のコーチ側の心境としてはまず第一に

「誰でもいいからいけよ」

です。

呆れてます。

そのあと言われた人が

「えーいやだ。君が前いってよ」

とコース内でもめる声が聞こえてくれば

「てめーら、スタートちゃんと間に合うんやろな」

です。

気持ちがフツフツとしてます。

で、もめまくって出るのが遅れた時にはこっちもイライラ爆発

「わいら、はよ出んかい!」

です。

思ってたり言っちゃったりとね。

誰が前にいくかでもめたときはコーチの機嫌は最高に悪くなることを覚えておいてもらえるとありがたいです。

コーチの方は共感してもらえますか?

後ろ向きな姿勢がタイムの伸びを止める

前を行くことは

「俺が引っ張ってやる!」

とか

「流れがない状態で良いタイムを出してやる!」

みたいに

前を行くことで前向きな気持ちになれる

ダブルフロント理論が生まれます。

「追いつかれることがイヤ」

とか

「距離を数えられない」

というのは

自分の泳ぎに集中できていない証拠でもあるので

速くなりたければこういうメンタルは早い段階で捨てておきましょう。

まぁ、わたくしみたいにすぐに抜かれる場合は進んで後ろにいくことも大切かと思いますが。

根拠があったよ【科学的編】

「お前、前いって」

今まではこのセリフを言うことが

自分の機嫌を損ねたとしても実際に悪いことなのかときかれたら

答えは「ノー」だと思っていました。

しかーし!

以前投稿した「手の形」のブログの中で紹介した

「スイミング・サイエンス」

の中に後ろをついていくとよくない理由が書いてあったので紹介したいと思います。

ここからは書いていることをベースにするので少しだけ難しくなるかもしれません。

それでもよければお付き合いください。

後ろの人の抵抗が減る「スリップストリーム」

前の人が泳ぐと、泳いでいるスピードと同じ流れが前泳者の後ろに発生します。

この流れのおかげで抵抗が減り速く泳げます。

この抵抗が減っている状態を「スリップストリーム」といいます。

スリップストリームの範囲は体の形に応じて決まるので、

小さい人が前を泳げば小さく、大きい人が前を泳げば大きくなります。

抵抗が減った流れに乗って泳いでいく「ドラフティング」

※わたくしの解釈も若干入っています

スリップストリームが発生することで、水の流れが作られ

後ろからスタートする人は何も流れのない状態でスタートするより

かなり楽な状態で泳ぐことができます。

この現象を「ドラフティング」というそうです。

スリップストリームは泳いでできる流れ
ドラフティングはスリップストリームでできた流れに乗ること

という解釈でいますが、訂正等あれば連絡ください。

即修正します。

後ろを泳ぐと楽に泳げてしまう

後ろを泳ぐとドラフティングにより前を泳ぐ時に比べて楽に泳げてしまいます。

これが「お前、前いって」がダメな理由です。

要するに楽をするなと言うことですね。

場合によっては後ろをいくことで練習クオリティを上げることはできるかもしれませんが、後ろは前を泳ぐよりもはるかに楽になってしまうので、

体力をつけたい練習の時は理由がないのに後ろで泳ごうとすることはやめましょう!

番外編:横並びではどうか?

横並びでも抵抗は減るみたいです。

しかし縦並びのときに比べて約3分の1程度しか下がらないそうですし、

水泳の練習で横並びで泳ぐシーンはそんなにないと思うのであまり気にしなくても大丈夫でしょう。

一応お伝えしておきますが、横並びの最適な距離は1m間隔で前後80cm程ズレて泳ぐと良いみたいです。

結論:練習で最適な間隔は【7m以上あけること】

前を泳ぐ人との距離で1番抵抗が減るのは0.5mとのことです。

0.5mで泳ぐと1人で泳ぐ時の約半分の抵抗で泳ぐことができるみたいです。

ですが、ここまで接近することは衝突の危険もあるため絶対に止めましょう!

6m離れると抵抗は約85%まで戻るのでほぼ先頭をいくときと変わらない抵抗になります。

本の中にも書かれていますが、

練習中の間隔は7m以上あけるようにしてください。

そうすることで自分の練習ができるようになりますよ。

ちなみに

前を泳ぐ人も後ろとの距離が近いと抵抗が減らされるそうです。

参考程度に頭に置いといてください。

【経験談】1人より大勢で練習した方が圧倒的に速い

この感覚はわたくし自身が最近の練習でめちゃくちゃ感じていることですが、

1人の練習でこなせなかった(あるいはキツかった)練習が

大勢でやると余裕です。

例をあげると

最近の練習メニュー

100*4 1’45 IM
1人の場合 1分25秒平均 HR27〜28
大勢の場合 1分22秒平均 HR25〜26

という感じです。

(タイムが遅いとかは気にしないでください・・・)

同じストローク数等で泳いでも、疲労度とタイムが全然違います。

この本を読むまでは波がない方が変な抵抗や気を遣わず速く泳げると思っていましたが、

ある程度の人数で泳ぐと速く泳げるということが分かりました。

「これってなにかで言ってたな〜」

と思い返すと自転車競技で言っていたことと同じだなと。

漫画「弱虫ペダル」は自転車競技の漫画ですが

集団による抵抗の削減がところどころ描かれていて、

今回のドラフティングについての考え方がピンっときやすいかと思います。

あとはシンプルに胸アツスポーツ漫画で

そういうジャンルが好きな方はぜひ読んでみてください。

ABOUT ME
ゆーじ
マスターズ世界1位、アジア1位などトップレベルのスイマーが所属するマスターズチーム【Excalibur】です!このブログはメンバーの「ゆーじ」が運営しています! 各SNSにて水泳やトレーニングに関する有益情報を発信中!チェックしてみてください!愛知県、大阪府を中心にパーソナルレッスンのご依頼も承ります。