自由型(クロール)

【競泳】50mで23秒0を出すべき理由&泳ぐための練習と考え方

今回は50mのレースで泳ぐための考え方と、具体的な戦略について解説していきたいと思います。

わたくしの専門

50m自由形の長水路で23秒0を出すための

[レース分析・考え方]

についてです。

50mだけでなく、他の種目・他の距離でも通用する考え方なので、

タイムが出なくて悩んでいる方は参考にしてみてください。

なぜ23秒を目標にするのか?

23秒0というタイム目標はなぜなのか?

それは「わたくしが出したいから!」

というわけではなく、23秒0というタイムが

【インカレ】と【インハイ】

に大きく関わってくるためです。

インカレ(全日本学生選手権)のA決勝ライン

最近はタイムが上がってきていますが、例年のインカレ(全日本学生選手権)のA決勝ラインがだいたい23秒0です。

(今年は8位で22秒79でした。速いですね・・・。)

インカレはA決勝かB決勝かで得点が大きく変わってきます。

B決勝に残ってB決勝1位を獲ることよりも

A決勝に残ってA決勝8位を獲ることの方が価値は高いです。

なので23秒0を出しておくとA決勝進出の可能性がグッと高まります。

わたくしが大学生の頃はA決勝進出ラインの23秒0を目標に練習していました。

優勝タイムは中京大学の松本周也選手の22秒13です。

インターハイの表彰台

2022年のインターハイの50m自由形の表彰台は22秒94を出すと乗ることができます。

つまりほぼ23秒0です。

インターハイは総合優勝争いをすることよりも個人の実力が試される場だとわたくしは思うので、

メダル射程圏内の23秒0を出すと表彰台の乗れる可能性がかなり近づくと思います。

23秒0を出すための行動や考え方

ここからはわたくしの実体験や周りの速い選手・コーチからきいた

【23秒0を出すための考え方】

について詳しく解説していきたいと思います。

50mを分割して考える

みなさんは50mを泳ぐ時にペース配分をどのように考えていますか?

200mを泳ぐ時は

スタートから50m、
50m〜100m、
100m〜150m
150m〜200m

というように、分轄して考えると思います。

50mはペース配分というものはありませんが、同じことが言えます。

50mを泳ぐ時は

・スタート〜15m
・15m〜25m
・25m〜35m
・35m〜45m
・45m〜50m

というように、他の距離と同じように細かく考えることが重要です!

・スタートから15m

スタートから15mまでのタイムは平均的な選手だと6秒前後、

トップレベルの選手だと5秒切るくらいで通過します。

わたくしの偉大な23秒前半で泳がれる先輩方は

スタートから15mまで5秒前半で通過していました。
泳がない”けのび”の姿勢だけでも15mの通過が10秒切っていました。

わたくしはけのびの姿勢で15m通過することもできませんでした。

つまりスタートからのタイムを上げるためには、無駄のない姿勢とスタートの初速がいかに重要かということが分かりますね!

・15m〜45mまで

・15m〜25m
・25m〜35m
・35m〜45m

この10mの間を5秒以内で泳ぐことが、長水路で23秒を切るためには絶対条件になってきます。

・スタートから15m 5.5秒
・15m〜25m 5.0秒
・25m〜35m 5.0秒
・35m〜45m 5.0秒
・45m〜50mのタッチ 2.5秒

こんな綺麗にまとめられないと思いますが、合計すると23秒0です。

各区間このタイムを切れるように練習しましょう。

ゆーじの50mのレース

最近のわたくしのレースが24秒0でした。

自分でレース映像を分析してみたところ

・スタート〜15m 5.6秒
・15m〜25m 5.1秒
・25m〜35m 5.2秒
・35m〜45m 5.4秒
・45m〜50m 2.7秒

全然正確ではないと思いますが、レース映像を見て目視で通過タイムを測定するとこれくらいです。

全局面でのスピードアップはもちろん必要ですが、わたくしの場合35m〜45mの区間でガクンッとスピードが落ちます。

これは呼吸動作を1回入れるからというのも理由の1つです。

呼吸を1回入れた後トップスピードまで戻すことができずに

ラスト5mのタイムも遅くなっています。

このように細かく分けて考えると自分の課題が明確になり、

練習しないといけないポイントが分かってきます。

まず自分のレースの局面を細かく分けて分析してみてください。

スタート技術の向上

50mのレースではスタートの重要性はかなり高いです。

スタートは泳ぐ距離を減らせるだけでなく、

浮き上がりまでスムーズに行うことができれば

トップスピードに加速するまでの時間を短縮することができます。

これがエネルギー温存に繋がるので、

スタートが上手い=速い

に繋がりやすいです。

体重が軽いと不利

Excaliburのミニマムスピードスターこと大樹は身長が164cmです。

身長が大きくないので必然的に体重もわたくしに比べて軽いです。

スタートでしっかり台を蹴り勢いをつけて入水姿勢もある程度決まれば、重い選手の方が有利です。

実際23秒前半で泳ぐ大樹と24秒0のわたくしは25mまでは大して差がついていません。

これはスタート技術というよりも体重のせいかと思います。

脂肪は抵抗になるので安易に体を大きくすることはリスクがありますが、

軽いままだとスピードに乗れないというところが難しくもありおもしろいところですね!

 

トップスピードを上げる

ここはどの距離、どの種目でも必須のポイントですね!

50mで23秒を出したいと考えているのであれば

25mは10秒台
15mを5秒前半

で泳ぐことは必須です。

100mで49秒出したい人は

50mは23秒台

が必須になります。

たまにイーブンペースで泳ごうと考える方がいますが

これは超ナンセンスな考え方!

恩師のSコーチに聞かせたら鼻で笑われます。

100%のスピードで前半を泳いだところで後半は必ずバテます。

イーブンペースで泳げる人は、頑張っているつもりになっているだけで実際は全く力を出力できていません。

23秒を出したければ

前半25m11秒
後半25m12秒

ということになりますが、

スタートの面も考慮すると実際は

前半25m10.5秒
後半25m12.5秒

くらいです。

25m10.5秒でしか泳げなければ前半に100%を出し切って、後半は失速してしまいます。

トップスピードを上げると、

余裕を持って前半を通過できるので後半にスパートをかけることができる

という考え方です。

トップスピードを維持する

トップスピードがいくら速くなっても即バテてしまうようではタイムを出すことはできません。

疲れてきてもスピードを維持する能力
疲れないように泳ぐフォーム

を練習の中でしっかり身につけていきましょう。

筋力を高める

スピードを高めるためには筋肉の出力を高めることが必要です。

筋トレをするとムッキムキになると考える方がまだまだ多いのが現状ですが、

筋トレのやり方によっては、体のサイズを変えずに筋肉を強くすることもできます。

瞬間的に力を発揮する能力が50mには必要です。

水中練習の他にそういったトレーニングも追加できると良いですね!

休む

ここの重要度は高めです。

練習を頑張るだけでは、トップスピードを維持する能力は高められても、トップスピードの向上は難しいと考えます。

もちろん個人のレベルによって練習の強度は様々かと思いますが、オーバーワークの練習はパフォーマンスの低下だけでなく、メンタル等にも悪影響になるので

体がキツいな、良い練習ができないなと思った時には、勇気を持って休みましょう!

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「短距離だから」「長距離だから」という考え方を捨てる

この考え方は速くなるために不要なので捨てましょう。

「長距離専門だからスタート技術は必要ない」
「他の種目は遅くても構わない」
「短距離だからベース練習は必要ない」

こういう”逃げ”の考え方を持っているうちは速くなれません。

『一芸を極める』

という考え方は嫌いではありませんが、

できないことを正当化するような言い訳を言っているうちは速くなれないでしょう。

わたくしが見てきた日本トップレベルの選手たちは、全種目で普通のトップよりも高いです。

(平泳ぎだけ致命的に遅いなどはたまにあります笑)

彼ら、彼女らは言い訳をすることなく貪欲に速くなることを自分の頭で考えていました。

日本や世界トップレベルが貪欲に速くなろうとしているので、まずは自分のスペックを高めていきましょう。

50m高校新記録を更新した松原光佑選手の考え

スイマガに掲載されていた記事を紹介します。

2022年全国JO杯夏季で14年ぶりに高校記録を更新した松原選手のインタビューで興味深かったコメントを原文ママに抜粋させていただきます。

夏場の練習は、水泳経験者だけど、それほど詳しくはない顧問の先生がメニューを作ってくれていました。だいたい1時間30分から2時間で4000m前後の練習でしたが、小学生時代に培われた体力はどんどん落ちていく。それでも中2の夏には50m自由形で自己ベストを2秒近く更新することができました。理由はいくつかあると思いますがイメージトレーニングが良かったと感じています。

中学生なので成長期で体が大きくなったなど、要因はさまざまかと思いますが、

それにしても中学生でこういった考えができるのはすごいなと本気で思いました。

考えて泳ぐことや練習量じゃないということは考えてはいましたが、

わたくしの場合結果が伴っていなかったので、松原選手のように結果を出した方が発信してくれると多くの方も納得できるのかなと思います。

まとめ

今回はわたくし(ゆーじ)なりの、50mを泳ぐときの考え方について語らせてもらいました。

自分なりの考えを持っておくと、タイムが出ない原因やレース映像の分析がやりやすくなるので参考にしてみてください!

これが正解というわけではありませんし、間違っている点もあるかと思います。

何歳になっても自己ベスト更新を目標に頑張っていきたいのがスイマーですよね!

Excaliburは水泳好きの方と繋がっていきたいので各種SNSで交流できると嬉しいです。

マスターズの登録者が減ってきているみたいなので大阪や愛知で練習会等の開催も計画していきたいな〜と!

みなさんと一緒に競技水泳を盛り上げていきたいな〜と思っています。

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ゆーじ
マスターズ世界1位、アジア1位などトップレベルのスイマーが所属するマスターズチーム【Excalibur】です!このブログはメンバーの「ゆーじ」が運営しています! 各SNSにて水泳やトレーニングに関する有益情報を発信中!チェックしてみてください!愛知県、大阪府を中心にパーソナルレッスンのご依頼も承ります。